教員インタヴューvol.1 國分正頼教頭先生
今回、Promotion Leaders(以下PL)がインタヴューしたのは、2024 年度より本校の教頭に就任された、國分正頼先生だ。國分先生が教師になられたきっかけや先生の新たな一面に、PL の writer メンバー全員で迫っていった。

校長先生に直談判!?
一教頭先生になり、変わったことはありますか?
國)担当する授業のコマが多少減ったので、授業の内容をより吟味するようになりました。
一教師になったきっかけはありますか?
國)教師というよりはこの高校の先生になりたかったんです。この高校が母校なので、音楽を専門とする生徒を相手に教える方が自分の学んだことを生かせると思い、22歳でこの学校に教育実習に来ました。実習後に、「もしご縁があったらよろしくお願いします」と当時の校長先生に直接お願いしました。
高校3年生の頃から、こうすればもっと授業が楽しくなるのでは?と考えていました。
一高校生の頃から授業について考えていたのですね!そんな高校生のときのことで、印象に残っていることはありますか?
國)文化祭のクラス企画でこの学校初のライヴハウスを開催したことが印象に残っています。そのライヴハウスで自分の曲も演奏して、そのとき泣いてくれた子がいたと当時の担任に言われました。その子には、その後の卒業演奏会での自作曲の発表の際にピアノの演奏をお願いしました。いい縁ができたなあという感じです。
(高校3年間の中で)高校3年生が1番印象に残っているかな。高1、高2は本当に苦しかったですね。曲はうまく書けないし、まわりの男子がとても優秀でどんどん伸びていたのでプレッシャーをすごく感じていました。自分は次の演奏会に出演できるのだろうか?....いっそのこと、オーディションを受けて自分から出演してみるか!となったのが高校生3年生の頃です。
ゲームに漫画?先生の意外な一面に迫る!
一ここまでとは打って変わって、無難に....趣味はありますか?
國)実は私、ゲーム好きなんですよね。 ハマってしまうのであえてゲームをやっていなかったのですが、数年前に前田先生(音楽科の専任教員)から3DSとドラクエ4をプレゼントしてもらったら、小さい頃の自分が蘇って、ひとしきりやってしまいました(笑)。
一ゲームがお好きなんですね!どんどんプライベートに迫っていきましょう!休日は何をして過ごしていますか?
國)子供が2人いるので子供との時間がほとんどですね。イオンに行って子供とトーマス号に乗ったりしています。
子供が生まれる前はブックオフで本漁りをしていました。小説も漫画もよく読みます、少年ジャンプとかも読みますね。
先生と音楽
おのみ)ゲームや漫画が好きなのにサントラの世界に行かなかったのはなぜですか?
國)結局、クラシックの魅力が勝ってしまったのかもしれないですね。チャイコフスキーとラフマニノフがものすごく好きで、そういう曲が書きたかったので。チャイコフスキーもラフマニノフも映画音楽に通じるものがあるし、現代音楽にももちろん興味があったのですが、ロシアの作曲家の魅力に取り憑かれてしまいました。
でも、ドラクエの音楽を編曲したときは楽しかったですね。
一ロシア音楽に取り憑かれるほど好きなんですね。先生は、チャイコフスキーとラフマニノフのどういう部分が好きですか?
國)(2 人の作曲家は)ここで盛り上がってほしいとか、こうした方が訴えかけられるとか聴き手側の意図が汲まれている曲が多いのかな。
特にラフマニノフは聴き手の意図を彼自身が理解して作曲しているのかなと思います。そのことを分かっていても、旋律に魅了されてしまう。旋律線とリズム感とやっぱり構成力がすごいと思うところですね。
だから、お客さんの心理を分かる作曲家になりたいとは思います。それを活かして、自分の授業も構成力があれば、楽しくなるので、今後も勉強したいですね。
一たしかにラフマニノフの旋律は聴き惚れてしまいますよね。では、先生が作曲するときのお供はありますか?
國)教材を書いたりしていますが、飴やチョコレート、アイスなど甘い物をお供にしています。甘い物を食べると蘇りますね。なので、週末にミスドに寄ったり、デパ地下でケーキを買ったりします。買うことが楽しいし、もちろん食べるのも楽しいですよね。
一疲れたときはやっぱり甘いものですね!話題は変わりますが、先生が音楽家の立ち場としてお子さんに聴かせたい曲はありますか?
國)まずはモーツァルトかな。形式や構成がある程度決まっている物から入って、楽譜に忠実に弾いて...。でも順を辿ってると何十年もかかりますね。ですので、皆さんの保護者の方に"高校生までクラシックや音楽を嫌いにならずに続けさせるにはどうしていますか?”と聞いてみたいです。
TOMO)クラシックなんて(小さい頃に)聴いてないですよ。
國)でもクラシックの学校に来たんだよね?
TOMO) 小さい頃に聴かされていた音楽ってゴリゴリのEDMだったんで・・・
國)じゃあ、EDMから入っていって、クラシックを勉強したらより....
TOMO) 面白い!みたいな。
國)自分もそういうところがあったのかもしれないですね。ヤマハのエレクトーンで作曲をしていて、もっと作曲を深く勉強したくてこの学校に行き着きました。本当に音楽は種類がたくさんあるので、何を聴かせるかは重要ですよね。やっぱり子供に最初に聴かせるのはモーツァルトかな....

先生が考える音楽の今と未来
一この学校では、クラシックを聴く機会が多いと思いますが、ポップスの音楽についてはどうお考えですか?
國)ポップスは領域がとても広いのでどこまでがポップスなのか区分けが難しいですが、結局ポップスもクラシックが源流だと思います。すごく繋がるものがあるし、吹奏楽のポップス調な曲も私にはクラシックに聴こえるんですよね。なので、音楽は聴く人の感情一つでポップスにもなるし、クラシックにもなると思います。とにかく、お客さんの感動を生むのであれば、ポップスだろうが、クラシックだろうが、今の時代、区分けがなくてもいいのでは?と思います。
ちなみに、私は久石譲さんが好きですね。 「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」で何度も泣きました。
一今の時代はジャンルの分け方が難しいですよね。先生は、若い世代に音楽をどう伝えていきたいですか?
國)専門的なことを教えるというよりも、音楽の楽しさを伝えたいです。多くの人が音楽にハードルなく、関わっていけたらより、音楽を好きになって、音楽を救いにできると思います。
必ず、(誰でも)音楽と無縁ではないですよね。だから、音楽は世の中が穏やかになる大きなきっかけになれると思います。ですので、音楽の楽しみを皆さんの力で継承していってほしいですね。
専門的なことのその先、曲の面白さを言葉で伝えられる人が増えることがこの学校の存在意義だと思います。
一若い世代代表として....私たち PL についてどうお考えですか?
國)なかなか、演奏する場所があっても 1 人で弾くのは勇気が要りますよね。でも、委員会ならできる。また、委員会として活動することで、同じ意思をもった仲間と色々なコンセプトで演奏ができますよね。やっぱり、ただ演奏のためだけに集まってやる演奏会と普段話している仲間とやる演奏会は違うと思います。常日頃から外に向けて発言していきたい人が集まる委員会が、実は今までありそうでなかったと思います。
また、演奏以外でもアナウンスやセッティングの仕事も委員会内で自然にできるのもこの委員会の魅力だと思います。 今後は、路上ライヴや病院コンサート以外にも、縁を繋げていって、将来PLになる人がいろいろな場所で演奏できるようにして欲しいですね。また、PLが中心となってどんどん全校生徒が(PL の企画に)参加していく希望があるのかなと思います。
今回のインタビューを通じて、國分先生の意外な一面や高校時代のお話など貴重なお話をいただけました。また、先生の音楽に対する考え方を聞いて、音楽は楽しむものだな、それを私も伝えていきたいなと改めて感じました。
國分先生、ありがとうございました。
