視覚と聴覚の融合

セルフデザインクラスは、『感性を育み、自分が実現したい未来を描き、それを構築できる力を持った人材の育成』を目標に2022年度よりスタートしました。
表現や創造に対する意欲をもった生徒達が、ディスカッションや特別講師による授業等を通して、人間性と創造性を高める学びを追求するクラスです。

今回の研究発表では視覚と聴覚の融合をテーマに、交流演奏会のプログラムの一つとして行うことになりました。

共感覚について

『共感覚とは、ある情報 (文字、音、月日の概念など) を頭の中で処理しているときに、その情報が一般的な形で処理される (例:文字が文字として認識される) ことに加えて、一般的にはそれと無関係と考えられるような種類の感覚や認知処理まで引き起こされる (例:文字を見た時に色の印象を覚える) というものです。』

引用:共感覚 - UTokyo BiblioPlaza - 東京大学より

私たちの日常でも、赤い色を見ると暖かく感じたり、風鈴の音を聴くと涼しく感じたりと、ある感覚とある感覚の結びつきを感じる場面がよくあると思います。
音楽の世界でもメシアンなどの有名な作曲家が音を聴くことで色を感じる共感覚の持ち主であることが知られています。

教室での実験の様子
教室での実験の様子

ジェネレーティヴAIについて

生成AI(ジェネレーティブAI)は、コンピュータが学習したデータを元に、新しいデータや情報をアウトプットする技術です。これまで人間が実施していた「考えるとこや計画することをAIが実行し、アイディアやコンテンツを生み出します。  最近では人間のように自然言語で会話するチャットAIが様々な質問に答えたり、小説やストーリーを創出したり、画像生成AIが魅了的な写真やイラストを簡単にかつ大量に生成することで注目を集めています。  クリエイターや芸術の世界でも制作のヒントやアイデアを得るだけでなく、実際の制作物としても活用されるなど多くの変革の兆しに注目されています。

音丸視え体験

音楽家が音に感じる色彩的な感覚を、多くの人と共有することをコンセプトに、実際にSDCの生徒たちが音一つ一つに対してのイメージや、色を言語化し、それをジェネレーティヴAIが動画として生成しました。
具体的には、OpenAI社の言語AIモデルであるChat GPTを活用して、プロンプトを設計し、そのプロンプトをRunway GEN2にインプットし、動画を生成しています。

当日はその動画が複数の巨大なスクリーンに映し出され、音楽家の感性を思いのままに感じる新体験をすることができます。
高校生が紡ぐ最新技術と芸術のコラボレーションをぜひお楽しみください。